2020年は周りの人達のおかげで、久々に結婚に対して前向きになった年でした。
大抵の男性は実子を持ちたいと思うため、女性は特に1才でも若い方がいいということで、双方とも年を取れば取るほど結婚が難しくなります。
また、今年は特にコロナ禍ということで、出会いの場を持つのが難しくなった年でもありました。
今回は、前回と同様に70代女社長ハルさんのご紹介で、三密を避けつつ初夏にお見合いした同い年50代半ばのカツオさん(仮名)のお話です。
付添人の夏木さん ボランティア活動に熱心な60代の奥様
お嬢様育ちの元公務員 いつもわたしの結婚相手を探している
紹介者のハルさん 70代現役バリバリの女社長
得意分野は政治哲学 歩く健康辞典と呼ばれている
お見合いの場所決めで、もつれてしまう
実はこのお見合いは、会う前から訳アリの感じが漂っていました。
もちろんこの段階ではカツオさんの内面は分からないので、あくまで外的なことではありますが。
まずお見合いの場所について、ハルさんとカツオさんの付添人ハラダさん(仮名)が二人で話し合った結果、どうしたことかファミレスになってしまいました。
夏木さんとわたしはホテルのラウンジを提案したのですが、ハラダさんから「派手だ」「カツオさんはそんなタイプではない」と言われ、ハルさんもそれに同調した形になりました。
ハルさんとハラダさんが電話で話しているのを聞いていましたが、ハルさんはハラダさんに対して夏木さんとわたしのことを「あの団体の人はちょっと違うのよ~」などと、わたしがボランティア活動をしている奉仕団体の名前を出しながら、ハラダさんをなだめているようでした。
その時は、ハルさんとハラダさんは昔からの知り合いなので、わたしには理解できない何か事情があるのかもしれないし、なんとかわたしをお嫁に出したいと思うハルさんの親心かもしれないとも思いました。
ホテルのラウンジは駄目と言われ、ハルさんからはバス旅行の人達が団体でお昼ご飯を食べるようなレストランを提案されましたが、夏木さんとわたしはどうしても気が進まず、なかなか場所が決まりませんでした。
ほかの女性もハルさんにホテルのラウンジを勧めてくれたのですが、傍らでうんうんと頷くわたしにハルさんは「コラッ!」と怒ったのです。
結局、ハルさんのいうレストランはコロナの影響で営業が不定期になっており、メニューもうどんや蕎麦しかないことが分かって、安ければ相手方は納得するのかしらと試しにファミレスを提案したら承諾されて驚きました。
普段はファミレスでも嬉しいけど、わたしはお見合いは人生における「ココ一番」のひとつではないかと思っているので、出会いに相応しい雰囲気の場所を望んでいます。
価値観の違いというか、スタートでこんな感じってことはこのお見合いは止めておけと言う事だなと、この時感じました。
50代は尚更、のんびりしてる時間はない
また、写真とプロフィールをいただいてからお見合いするまでが2カ月以上かかりました。
なんでも、カツオさんとハラダさんは普段電話やメールのやり取りは全くしないそうです。
お見合いに関しても同様で、月に一度ほど会うことが決まっている日曜日に、ハラダさんがご夫婦でゆっくりとカツオさんに話すということでした。
月に一度を待ってる場合ではないと、夏木さんがハルさんに早く日にちを決めるよう促してくれましたが、ハラダさんが言うには「カツオさんをいきなり女性に会わせると大変なことになる」とか「純情な男だから」とかいうことで、なかなか進みませんでした。
お見合いだからイキナリ会うわけじゃないし、大変になるって精神的に混乱するってことなのかしら、50を過ぎた男性に純情とか、怪しいわ。
こちらもバツイチの50代なので人のことは言えず、相手に少々何かがあったとしても人生そんなことありますよねって感じですが、わたしが想像できることとは明らかに違うニュアンスでした。
不満にも不安にも思わず、淡々と自分を信じる
わたしは付添人の夏木さんに「このお話はちょっとオカシイと思いますが、大丈夫ですか」と何度も確認しました。
夏木さんはハルさんのことをとても信頼していたので「ご本人に会ってみてから判断したらどうかしら」と、いつものように上品なアドバイスをいただきました。
自分の勘ではお断りするようになると感じていて、そのことを夏木さんにもあらかじめお伝えしたうえで、夏木さんの考えに添ってハルさんのお顔を立てて会ってみました。
結果的にカツオさんとは2回会いましたが、やはり会うべきではなかったと思うし、夏木さんも「あらかじめ自分がカツオさんと話していれば、絶対に紹介しなかった」と後悔されていました。
わたしの性格は全体的にはネガティブではないし、舞い上がるタイプでもないし、今回のことでまたさらに、自分の勘は当たるんだから気が進まなければ早くお断りするべしと実感しました。
いい勉強になりましたが、それまで築いてきたハルさん夏木さんとわたしの人間関係が壊れたかもしれないほど、今まだわたしの心は修復中です。