11カ月ぶりの帰省 ~ありがとう 故郷の空は青く、人は温かく~

母の携帯電話が故障してくれたお蔭で、実に11カ月ぶりに母に会うことができました。

前回の帰省では、母に喜んでもらいたい一心で、買ったばかりの大きな低周波治療器を背負いながら、服などはスーツケースに詰めて、大荷物だったことを懐かしく思います。

今回の荷物は、コロナ禍で濃厚接触にならないよう日帰りするということで、お土産と交換用の新しい電話機、それと時間が余った時のためのパソコンくらいでした。

会えない今、家族の写真は最高のお土産でした

久しぶりに会う母へのお土産は、母の好物はもちろん、いつもお世話になっている隣人や親戚やデイサービスのお友達への菓子折りからはじまって、LINEで送られてきた家族の写真や最近知った巻き爪防止用テープなど。

とりわけ喜んだのは、やはり家族の写真でした。

背中を丸めてまじまじと覗き込み、写真の中のひ孫たちに向かって「離乳食が始まったね」「生まれて一度も会えんうちに1才になったね」「さすがお兄ちゃん、大きな魚釣ったね」と、何度も何度も話しかけていました。

会えない切なさといったものは一切なく、子どもたちの成長と幸福を願い、遠くから祈るようにして愛情を注ぎ続ける力強い母を見ることができ、今回の帰省を心から感謝しました。

日ごろお世話になってる人にもお土産を

私は18年前に転勤で故郷を離れ、その後2回ほど別の地への転勤の話がありましたが、故郷からは遠くなるばかりでお断りし、ここにいることを選びました。

父が亡くなったのは10年以上も前のことなので、母が一人だからと言って、在職中に故郷に舞い戻り仕事させてもらうことは期待できません。

私以上にきちんとしている母とはいえ、年相応にといいますか、安全に快適に暮らすには助け手が必要で、近所の人や親戚、そしてデイサービスの人など、たくさんの人にお世話になっています。

日ごろ母を見守ってくれている人たちに感謝の気持ちは一杯でありながら、県外に住む私たち家族が直接お礼を言う機会は滅多になく、いつも申し訳なく思います。

それで時節柄、今回はごくごく内輪の身近な人だけですが、菓子折りを用意しました。

年を取ってなかなか外出が思うようにいかず、贈答品をやりとりする昔ながらの付き合いを大切にする母は、頼んだ通りの品物の包みを見て安堵したようです。

私としては、母を支えてくれている人たちに、もっともっとお礼をしたいし、母のことを頼みたいし、私の連絡先も渡したいと、たくさんの想いがあります。

また会えるよ、絶対に 次はみんなで会おうね

「絶対に風邪をひかないように、とにかく暖かくして、栄養があるものを食べて、良く寝て」と何度も繰り返す私に、母は「その通り」と明るく笑っていました。

家族を代表して母に会えて、濃厚接触にならないように玄関先で話すだけでしたが幸せな時間でした。

母にとっては初めてとなるビデオ通話で、姪家族と話したりもしました。

他の家族のために母のメッセージ動画を撮って、みんなにシェアできたことも、とても嬉しくいい思い出です。

遠く離れた家族の声が聞けたり姿が見れることは、孤独になりがちなコロナ禍にあって大きな時代の恩恵だと感じました。

また帰りたいな、いつも帰りたいな、懐かしい私の故郷に。

みんな、早く、自由に、会いたい人に会えますように。

願いが叶いますように…。祈り。

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