自然のまま白髪を染めずにいるグレイヘアにするか、50代で迷う人が多いそうですね。
有名人がグレイヘアにして美人が故にいろんな意見が見受けられますが、実際のところ老いに直結するデリケートな話題なので、自分の生活圏にいる人と直接この話をする人は少ないと思います。
外見が内面に与える影響
私は三週間に一度、お気に入りのヘアサロンに行き、伸びてきた部分だけ染めるリタッチをしてもらっています。
白髪が見えなくなると、なぜか身体の内側から力が湧いてきて、毎日を気分よく過ごすことができるので、重要なルーチンのひとつになりました。
ほかの予定と重なるときは、ヘアサロンに行くことを一週間ほど前にずらしてしまうほどです。
年を取っても小綺麗にしていたいと思えば、身に着けるものやお化粧品など少しずつ手助けが必要になりました。
悔しいかな白髪がすごい勢いで増えたにも関わらず、それをあまり大変と思わずにいられるのは、自分と相性の良い美容師さんに出会ったことが大きいでしょう。
白髪は隠せるという、絶対的な自信。
髪を整えることは外見だけではない、内面に与える影響が大きいのです。
そして、ほとんどの女性がそうだと思いますが、人からゆっくりと丁寧に扱われるととても満ち足りた気持ちになり、自尊心が高まります。
ヘアサロンで過ごすのは短い時間ですが、穏やかに優しく楽しい会話が弾み、終わる頃には私の心の中にこびりついた何かがきれいさっぱり流されて、新しい自分になっているのは不思議なことです。
本人しか分からない感覚
三週間に一度とは、贅沢という人もいれば、無駄という人もいるでしょう。
これが二週間でもなく、四週間でもない、三週間というのが私にはとても重要なことでした。
私は頭皮にカラーの薬剤が付かないように染めてもらっているので、だいたい二週間くらいで髪の根本の部分の白髪が気になり始めます。
実はこの時「これは四週間いけるんじゃないか」と毎回わくわくするのですが、なぜかここからの一週間で一気に老け込んだ印象になるので油断できません。
二週間では勿体ない、四週間では鏡を見るたび気分が落ち込んで耐え難い、だから三週間に決めました。
また、事務所内では女性社員の最年長なので、あまり老けた感じだとお客様も含めてみんなが心配するでしょう。
そうそう、甥や姪も、独り暮らしの私が若く見えたほうが安心するんじゃないかなど、年を取るのは当たり前のことだからいいのだけれど、つい周りの人のことも考えてしまいます。
ストレスで一気に増えた白髪
鏡を見て年齢を実感するようになったのはいつ頃からでしょうか。
30代後半で今の会社に入り、転勤によって多忙な毎日を送っていました。
自分自身の成長と人の入れ替わりなどで長い時間をかけ過ごしやすくなりましたが、当時は仕事内容だけではなく複雑な人間関係に大きなストレスを感じました。
白髪の原因のひとつがストレスと言われているのも納得できます。
顔を洗う時に髪をまとめて鏡を見れば、額の生え際に急激に増えたたくさんの白髪に圧倒される毎日でした。
気が滅入る。
頭皮の状態が悪くなり、この頃から何年かは思ったように髪を染められなくなりました。
40代は爆発的に白髪が多くなり、50を超えると髪質が大きく変わって細くなりうねりが出てきたので、洗顔のため額を出した起き抜けスッピンの姿は自身の老いを実感するには十分でした。
髪の色ひとつで、気が滅入るなんて信じられない人もいるでしょう。
うちはもともと白髪が多い家系で、父は前髪のあたりにメッシュをいれたようにサッと一束の白髪、母は60代ですでに真っ白だったせいか、私は少し気にし過ぎかもしれません。
そうかといって今年還暦を迎えた姉は、グレイヘアにしてみたり、突然きれいな栗色に染めてみたり、緩くパーマをかけて上手にピンで留めたりしながら自由に楽しんでいます。
姉妹でもこんなに感覚が違うなんて面白いし、身近な人のグレイヘアは案外そこに目がいかないものかもしれないと感じました。
私は染める派
おかげさまで、この年齢になっても私の幸せを願って結婚相手を探してくださっている人もいることだし、その人に恥をかかせないようにいつも小綺麗にしておきたいし、少し実年齢よりも若く見えるほうがいいような気がして。
ですので…私は白髪に抗います。
もう染められませんと誰かに言われるまで、白髪を隠し続けます。
どうしても年齢が上に見えてしまうグレイヘアにするのは50代の私にはまだ早いと感じるし、はつらつとしたセルフイメージを大切にしたいと思います。
それが私の元気の秘訣だからです。
一人暮らしの中高年の方は、もし自分が元気な気持ちでいられるものがあればそれを大事になさってくださいね。
お互い元気で長生きしましょう。