ひとつの別れがやってきた ~ありがとう、10年前に出会った私の救い主さん~

2月8日月曜日、私が兄のように慕って尊敬していた人がこの地を離れるということで、お別れ会に行ってきました。

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急な人事異動でお餞別の準備もままならず

異動は急に決まったらしいのですが、彼や彼の奥様の人柄もあってか、お別れ会にはたくさんの人が参加していました。

大きな字でメッセージが書かれた横断幕や、急いで仕上げたと手編みのマフラーを準備しているおばあさんもいて、それぞれ寂しさを抱えながら彼の新しい出発を祝っていました。

私は何をプレゼントしようかとデパートの中をぐるぐる回りながら考えた末、紺色の靴下にしました。

別れの時のプレゼントが靴下というのは、マナーとして正しいとか正しくないとかはよく知らないけれど…。

とにかくすごく歩くし、きちんとした席で正座することも多い人なので、無礼があったとしてもきっと広い心で受け取ってくださるでしょう。

名残惜しい、最後のお話会

顔なじみのメンバーが揃って彼の話を聞くのは、おそらく最後になるであろうその日でしたが、彼は一度だけ涙を堪えて声を詰まらせたものの、普段通りにポンポンと軽快で明るく話してくれました。

この10年間、たくさんの時間を使って、難しい内容を理解できるように、いろんな表現で何度も繰り返し教えてくれた姿は、私の瞳に焼き付いており忘れることはないでしょう。

私よりもっと長く近い関係だった人たちは、初っ端からすすり泣いていたり、泣くまいと必死になって笑顔でいようとしてテンション高かったりと、急な別れに揺らぐ心が見て取れました。

そして、最後にふさわしいといいますか、普段はあまり表に出られない奥様も挨拶をしてくださいました。

夫のどんなところを尊敬しているか、夫婦二人でいる時にどんな話をしているか、これからどう生きたいかを静かに話される姿に、内助の功の美しさを感じ、女性の鑑といいますか、私は奥様に大きなあこがれのような気持ちを持ちました。

新しい出発 また逢う日まで

彼は私の顔を見るたびに「また歌を歌ってください。お願いしますよ。頑張ってください。」と、声を掛けてくれていました。

私は数年前まで合唱団や聖歌隊のメンバーだったのですが、長いこと調子が悪かった脚がどうにもならなくなったことと、仕事が忙しくて練習ができなくなったことで歌うことを諦めたのです。

彼は私が歌う姿を覚えている数少ない人の一人で、彼のリクエストがどれほどありがたく、私の励ましになったかは言い表せません。

お別れ会の時も「必ず歌ってください」と励ましてくださったので、とても嬉しく思いました。

もうステージに立つことはないと思うけど、ご夫婦にはお礼も兼ねて、なんらかの形で歌声を届けるのも夢があっていいかなと思います。

健康に留意して、
また逢う日まで、
お元気で

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