新入社員は率先して社内美化に努めるべし ~謙虚な気持ちで掃除やゴミ捨てをしよう~

「入社1年目は、みんなより早く出社して、先輩方の机を拭く」

これはわたしが初めて就職した、地元の信用金庫でのルールでした。

こうしたことは、今まで勤めた会社の多くで、新入社員の仕事として先輩から教えてもらい、次の新人が入ってくるまで自分の仕事の一部となっていました。

あなたは職場の雑用をしたことはありますか。

一般的に雑用とは、掃除・ゴミ捨て・お茶出しなどを含めて、こまごまとした大切なことをいいます。

かつては女性社員がやるのが当たり前という風潮があって、たった1人しかいない女性社員が自分の仕事と併せて全部こなしていたものです。

今は、ことあるごとに「平等であること」が重要とされて秩序が曖昧になったせいか、雑用をすることに不満を抱く人が多く、人間関係に大きな影響を与えるようになりました。

自分でしたことがない人にはピンとこないかもしれませんが、実はこの雑用と呼ばれる大切な要件は、職場の人数が多くなればなるほど膨れ上がり、トラブルの種にもなるのです。

今回は、職場のゴミ捨てのお話です。

時代の流れか、新人の仕事から平等な当番制になった

川村さん
川村さん

うちのチームの川村さん 40代バツイチの二代目お局様
数年前に大病を患い、通院加療中
職場で誰かをやっつけるのが好き

サカガミさん
サカガミさん

隣のチームのサカガミさん 華やかで圧がある40代
職場結婚で子供はいない
誰かをターゲットにして、ストレスを発散する

ゴミ捨ては職場によって大きくやり方が違いますが、うちは毎日夕方、当番が事務所のゴミを集め、週3回ほど業者さんが回収しにきます。

わたしが転勤してきた当時は、女性社員の中で一番社歴が短かったので、雑用はすべてわたしの仕事でした。

新しい人が入るまでの4年近く、ほとんど毎日ゴミ捨てをし、たまにわたしより早く終わった人が代わりにしてくれていました。

新しい人が入ってゴミ捨てを譲り渡しホッとしたのも束の間、じきに初代お局様が退職したあと、二代目お局様の川村さんが発案者となって、数人ずつグループ分けをして当番制に変えたのです。

こうしてわたしは、またゴミ捨てをする羽目になったわけですが、先日二人組で当番をするカツコさんとどらみちゃんの間で揉め事が起きていました。

どらみちゃんが残業になる日、カツコさんがゴミ捨てをせずに帰ってしまったというのです。

新人教育の失敗で、社内の秩序は崩壊した

カツコさん
カツコさん

隣のチームのカツコさん サボるのが大好きな40代
去年春まで同じチームだったが問題を起こして異動になった
チームリーダーのサカガミさんには従順

どらみちゃん
どらみちゃん

うちのチームのどらみちゃん 20代の元保育士
異業種からの転職で、耐え抜いて事務職をものにした頑張り屋さん
おしゃべりでストレスを発散する

この日に限らず、カツコさんはどらみちゃんに当番の仕事を押し付けて、知らんぷりをすることが多いようでした。

仕事が終わってコーヒーカップを洗おうと給湯室に行くと、どらみちゃんを囲んで、若手の女性社員たちがカツコさんの態度を問題にして騒いでいました。

ああ、またか…。

人のしたことが気に入らないといって噂話に興じる姿は、高校生のような幼さを感じます。

彼女らが新人だった時の教育をわたしたちが失敗したのは明らかで、人数が増えて群れになるとどうしようもなく、誰かが不満を口にすればたちまち無法地帯のようになるのです。

その中の一人が「先輩社員はしっかりしてほしい」とわたしに言いました。

それは、カツコさんだけでなくわたしを含めて年長者への言葉として受け止めましたが、申し訳ないけど家庭で躾けられていないカツコさんを今更わたしが躾けないといけない理由はないように思っているのです。

というか、不可能です。

そういう若手の女性社員もみんなカツコさんと似たり寄ったりで、わたしがゴミ捨てや掃除をしていても、手伝ったことがなく、知らんぷりしてる人たちなのですから…。

そもそも、ゴミ捨てはそんなに負担になることなのか

職場のゴミ捨てについて、もし不満に思うなら人のゴミは回収しなければいいし、回収するのがルールなら不満という自分の感情には関係なく、ただルールを守ればいいのです。

どらみちゃんは、しないで帰るカツコさんのふるまいを言いふらすよりも、まず自分自身がカツコさんと向き合って話してみれば良かったのではないでしょうか。

不満があるなら、カツコさんに対して解決のための提案をしてみるのです。

ガチンコ勝負をして、2人の関係は普段通りのままか、こじれて針のむしろになるか、どんな結果でも受け止める覚悟でいけばいいのです。

周りの人が間に入って解決してくれるのを期待しているかもしれませんが、おそらく誰も矢面に立つつもりはないでしょう。

また、自分から言えないだろうからと、周りが察して動かなければならないほどの重要な内容ではないと、わたしは思っています。

それに、カツコさん以外の人が、みんなでどらみちゃんを手伝っているのだから、カツコさんに焦点を合わせないで放っておいて、手伝ってくれる人と楽しくするという方法もあるのです。

ズルして楽ちんして先に帰るカツコさんを見ながら、なんとなく損をしたような気持ちになるのだと思いますが、謙虚な気持ちで、他人と比べることなく感謝の気持ちを持って引き受けていくのが一番いいように思います。

雑用は小さいけど大切なこと。やってみれば人生で役に立つ

さぁ、まず手始めに機嫌よく雑用をしてみましょう!

特に新人のうちは、率先して動くことを意識して、社内美化に努めてみましょう。

実家住まいで掃除やゴミ捨てをしたことがない人は、先輩に教えてもらいながらやってみるといいですね。

帰る前の雑用は、先に仕事が終わった誰かがするのもいいと思います。

そして、雑用をしている人がいたらお礼を言って、手伝いを申し出るのは素敵なことです。

実は、職場の雑用は職場のことだけにとどまらず、家庭での幸せにも繋がります。

将来結婚した時のため、山ほどある小さな大切なことを夫婦で手分けする練習だと思って、試してみてください。

会社では、誰に言われなくても機嫌よく雑用をこなしている人を見ると、「きちんとした家庭に育った人だ」と思うし、「気遣いのできる人」「人が嫌がることを引き受けるデキタ人」として、好感をもたれるはずです。

会社の雑用は時に悩みの種になりますが、日常のこんな小さなところにさえ、どこに目を向けるかで人生が変わるという、幸せな未来へのヒントが隠されています。

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