春の陽気でウキウキとした気分になっていたところに、コロナの感染者が増えたとして各地で緊急事態宣言が出され、世間の雰囲気が一変し鬱々とした週末になりました。
ゴールデンウイークの計画を練っていた人も、どうするか頭を悩ませていらっしゃるでしょうね。
わたしは、故郷で一人暮らしをしている母に会いに帰ります。
母 故郷で一人暮らしの84才 楽しみはデイサービス
孫やひ孫から「おばこちゃん」と呼ばれている
母がこの1年で会った家族は、今年の冬に一度日帰りしたわたしだけです。
寂しい思いをしていたようですが、あまり言葉にはせず静かに受け入れていました。
その間、支えてくれたのは、デイサービスの方々、ご近所さん、地元の親戚、タクシーやバスの運転手さんなど、数えきれない人たちで、本当にたくさんの人にお世話になりました。ただただ感謝しかありません。
時折かかる電話では、寒くて乾燥した時期に流行る感染症に負けないよう、冬を乗り越えるための生活習慣のチェックなどで励ますくらいでしたが、お蔭様で怪我もなく、やっとここまできたのです。
年末年始一人で過ごした時 ←2020年末~2021年の母の様子
電話の故障で日帰りした時 ←2021年冬の母の様子
帰省しない家族に落胆する母
ゴールデンウイークには家族に会えると張り切っていた母でしたが、わたし以外の家族が帰省しないことを知り、今回ついに音を上げました。
孫やひ孫に会えないと知った日、母の落胆ぶりは凄まじく、孤独感はどうしようもなく限界だったようで、夜遅くに電話で「帰ってくるかね」とわたしがどうするかを尋ねてきたのでした。
おっと…。ついにこの日がきた…。
おそらく泣いたのではと胸痛く感じながら、「いぇいぇ、わたしは帰るって決めてるから、バッチリ予定立ててるよ」と、少しでも慰めになればと努めて明るく答えました。
実は、4月の早い段階で他の家族はみな帰省しないと聞いていましたが、もしかしたら考えが変わるかもしれないからと母には黙っていたのです。
家族を迎えて賑やかにゴールデンウイークを過ごそうと、張り切って家を整える母に圧倒されながら、わたしは心の中で「どうか元気なうちにみんなで会えますように」と祈るような気持ちで過ごしていましたが、残念ながらまた次回のお楽しみになりました。
誰もみな、生きていれば思うようにならないことがあるけれど、それでも家族に心配かけまいと気持ちを奮い立たせて辛抱している母の姿は、日本人の特性ともいえる静かな強さであり、もちろん切なくもあるのですが、時に感動さえ覚えます。
事前に家庭内感染予防のおさらいをします
そして母とは、感染予防対策について改めて話しました。
昨年初めからの1年以上にわたって、どのように生活したら感染や発症せずに済むか、いろんな分野から発信されているおかげで、三密を避けるなど新しい生活様式が身につき、お互いがマナーを守ることに慣れて、不自由な思いをすることなく生活ができるようになりました。
ただ、家族は関係が近いが故にわがままになりがちです。
うちは特に、二人とも一人暮らしが長くて自立心が強いので(他人はそれを頑固ともいいますが)、ゴールデンウイークまでに家庭内での感染予防について勉強し、寝る場所や食事や雑談などについてのルール決めをするつもりです。
せっかく会えた貴重な時間を居心地悪くしないよう、ふたりの楽しい時間を過ごすための準備は案外と楽しいものです。
- 帰宅したら手洗い、携帯電話やスマホを拭く
- 会話の時にツバや飛沫が飛ばないようにする
- 咳が出る時はマスクやハンカチなどを使う(手で口を覆うのは駄目
- トイレは蓋を閉めてから流す
今回の帰省の目的① 要支援1の母のために
前回は日帰りで時間がなかったので、今回は母がちゃんと生活できているかをしっかりチェックしようと思っています。
電話の故障で日帰りした時 ←2021年冬の母の様子
一番気になっているのは足の巻き爪で、前に見た時にギョッとするくらい酷かったのですが、何年か前に一度病院で爪を取ってもらった母はあまりの痛さに怖がってしまい、もう二度と治療には行かないと言ってききません。
少し前から「膝が痛い、膝が痛い」と何度も言うので、言えば嫌がると分かっていても「巻き爪そのままにしてるから」と、つい憎まれ口のように言葉にしてしまいます。
デイサービスで治療を勧めてもらえたらいいなぁと思っていたら、やはり気を付けてくださっているようで、楽しいプログラムの合間にチェックしてくださっていました。
「おぉ、これは酷い」と言われても、頑として放っておく母…。
前にあげた巻き爪防止用テープは気に入ったようだけど、かばって歩けば他が悪くなるのにね、どうしましょう。
あとは、家の掃除が行き届いているか、修理が必要なところがないかを見て、洗面所の不具合があるのでホームセンターでいるもの買って応急処置をしてくる予定です。
今回の帰省の目的② わたし自身のために
老親と離れて暮らしている人は、コロナ禍のせいで、果たして会いに行くのが本当にいいことなのか分からず、大きな悩みとなっていることと思います。
うちは家族が各県に散らばっていて、それぞれが事情を抱えていることもあり、母に会っておいた方がいいと思うわたしは圧倒的に少数派です。
わたしが帰省することに迷わないのは、去年から続く家族と会えない状況は母にとってはもう限界だと感じるからです。
人間、年を取ると、いつ会えなくなるか分からないものでしょう。
後悔しないように、肩の一つでも揉んであげたいと思っています。
そしてできるなら、従兄の奥さんの一周忌なので子どもたちの様子を知りたいし、友達にも会いたいし、母に何かあった時にはお世話になる親戚の人にも会いたいし、と気持ちはいっぱいです。
あぁ、普段通りの生活を送ることが、こんなに贅沢なことになるとは思いもしなかったですね。
いろんな考えの人がいるので、自分を優先したりして無理強いしないように、相手の気持ちを考えて慎重に行動したいと思います。
みんなが納得できる、2021年のゴールデンウイークが過ごせますように。